リーマン・ブラリーズ

都内外資系アラサーリーマンのおもいを綴る。ロードバイク・アウトドア・その他ビジネス関連などとりとめなく思ったことを呟く日記的なSomething。

「生きるために人は夢を見る。」本棚整理をして感じた生き様。

足を軽く怪我したので大好きな自転車に乗れない週末。

正確には乗れるが悪化しそうなので前向きに自粛、と言った方がいいかも。擦過傷と舐めていたら未だに治らないけど、慌てず療養するのも大切だと思う。

キズパワーパッドつけてたけど、まるで治らずひたすら体液で続けるので乾かす作戦に変更中なり。

 

 

数年ぶりに置物の集合体となっていたカオスな本棚(単なるカラーボックス)を整理した。

事前にIKEAで本棚を買って置いたので、組み立ててカラーボックスから卒業することに。あまりのガラクタ、読まない本、書類の多さにイラつきながら、本棚を組み立てやっとこさ完成。順序も考えずに適当に押し込んだけど、とりあえずはこれで良し。徐々に直せばいいやと。

本棚を変えて整理することで良かったことの1つが、手持ちの本を見える化できたことだ。カラーボックスに構わずあれやこれやをぶち込んでいると、奥の方とかよく見えず、結局何があるかいまいちわからないままだった。これが劇的に改善した。この作りで約13,000円とは安い。IKEA様様やで、しかし。

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ローラ環境も大きく影響受けず、よい本棚が設置できて乗れないストレスもちょっとだけ消えた。ちょっとだけね。

 

 

片付け、断捨離をしているときのあるあるで、出てきた思い出の品に夢中になることはほぼ誰でも通ると思う。レイザーラモンRGの替え歌にありそうなくらいの「あるある」だ。

僕も例にもれず、発掘した本たちの読み返しにどはまりしてしまった。

いくつもの本が出てきたが、中でもこれは読み返さずにはいられなかった。

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「生きるために人は夢を見る。」

フォトグラファー林健次によるボクサーたちの写真と言葉が納められている。

確か買ったのは(2回目の)大学生3年のときだったと思う。

当時バイトしていた自由が丘の、ふらっと入った書店でタイトルが目に留まり、数枚めくって気づいたら3分の1くらい立ち読みしていたと思う。

 

タイトルからすると、夢のために一生懸命に頑張る人を撮りました、これ見て人生に少し疲れた君も元気出してね、という一種の押し付けがましさを含んだ、ありがちな本に見えるかもしれない。ちょっと臭いタイトルだな、と最初は思ってしまった。

 

でもそんな先入観や生易しくありきたりな考えは、本を開くと吹き飛んでしまった。そこにあったのは圧倒的で、ほとばしる「生命」だった。

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頂点を目指すボクサーたちは、成功・失敗に関わらず、人生や文字通り自分の命をも含め全てを賭してリングに上がっている。

林さんの写真や文章は、そんなボクサーの不退転の覚悟を直で全身にぶつけてくる。こんなにも「生きている」人を本で感じたのは初めてだった。

ボクサーだけでなく、若くしてバイク事故で右腕が機能しなくなった林さん本人にとっても、ボクサーを撮り続けることがまさに生きることだった。そうでなければこんなにも刺さってこないはずだ。ボクサーの魂が写り込んでいる。

「たとえ、試合の途中で目を怪我して、見えなくなったとしても、熱意さえあれば、最後まで闘って勝てるんだ。外見上の弱みなんて、心の弱みに比べたら大したことないよ」

「中卒でさ、やくざやっても続かない、ボクシングやってもダメじゃどうしようもないよ。ボクシングはとことんやりたいんだ。あきらめないよ」

 

 

本当に望むかどうかに関わらず、僕は大多数の大学生と同様に就職活動を卒なくこなして、それなりの大企業に入ってそれなりの社会人となった。

それなりに新入社員をこなし、それなりの社会経験をしてきたつもりではある。

でもそこに「生きる」ということをどれだけ感じてきたのだろうか?

どれだけ生きることをぶつけてきたのだろうか?

振り返ってみると実際のところ、生きているという実感を仕事ではほとんど感じていない。

そもそも仕事以前に僕は自分の人生を、本当に生きることができているのだろうか?

誰もが一度は思うような至極一般的な自省ではあるだろうけど、この本を読むと自分の生き様というのを考えざるを得ない。ただ生活をするというのは生きていることと同義ではない。

本当の夢や志というのは生きることなんだと思いながら、繰り返しページをめくっては見返している。 

 

生きるために人は夢を見る。

生きるために人は夢を見る。